ここ数年、ファッションのトレンドはとても早く変化している。
とある記事によると、最近は「リセールで価格が落ちないもの」
もっと言えば「プレミア価格がつくもの」を基準に買う方もいらっしゃるようだ。
これはこれで新しい形なのだろう。
けれど、この形は、私にはフィットしない。
メンズファッションに関しては、トレンドは「あってないようなもの」と思っている。
年月とともに、シルエットやディテールは少しずつ変化を重ねてはいるが、大きなフレームは変わっていない。
時代に合わせ、小さなチューニングを繰り返しながら「今」を作り出している。
人間も同じように思う。
年齢を重ねることで、表情、雰囲気、体型、そして、社会的な役割も少しずつ変化していく。
若い頃、好んで着ていたTシャツやショートパンツが似合わなくなり
それほど好きではなかったスーツやカーディガンが似合うようになってくる。
これは、自然なことだ。
自分に似合う服を探すために、ファッション誌の提案をそのまま受け入れても
登場するモデルのようにはなれないし、そこを目指す必要もない。
自分に合う服を選び、自分に合わせたサイズに調整し、そこに自分らしさを加える。
イヴ・サンローランが残した言葉にこんな言葉がある。
Dressing is a way of life.
この言葉には、装うことの大切さや素晴らしさが込められている。
「たった一度の人生」
素敵な服を着て、素敵な時間を過ごし、素敵な出会いをするのも悪くない。
そしてそれは、日常の服を「少しだけ」変える事で手にすることができるのかもしれない。
